少しずつ春めいてきて、桜の開花が待ち遠しい今日この頃です。皆様、いかがお過ごしでしょうか。今回は、賃貸住宅の騒音問題について専門家からお話をうかがいます。
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上の部屋で子どもが飛び跳ねているようで、ちょっとうるさい……。ほかにも、掃除機やイスを動かしたときの音といった上階からの音も、意外に気になるものです。1回限りで静かになればよいのですが、二度三度と重なると、苦情のひとつも言いたくなりますよね。実際、騒音が原因で大きなトラブルに発展してしまうこともあるだけに、快適な住空間をつくるためには、対策をしっかり考えなければいけません。
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入居者が定着する物件の条件に、不満の少ない住空間であることが挙げられます。賃貸住宅の不満にはさまざまなケースがありますが、その代表例が、「上下階や隣の部屋からの騒音」です。実際、賃貸住宅の居住者が抱える不満のトップにランキングされていて、多くの人に心当たりがありそうです。具体的には、上下階の部屋からは足音や戸の開閉音、隣の部屋からは話し声や水の音などが挙げられます。
近年では、「上階の部屋の子どもの足音がうるさい」と裁判にまでなった事例もあります。このケースは、下階の住人からクレームがあったのにもかかわらず、上階の親が真摯に対応しなかったことも、問題を大きくしてしまったようです。
騒音問題を未然に防ぐには、近隣世帯同士がお互いに配慮し合う姿勢はもちろんのこと、建物の構造・設計・仕様に配慮が必要です。つまり、「大きな音を出さないようにする心遣い」と「音を伝えにくくする居住空間づくり」の両面で考える必要があるのです。
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約3割の人が「音」に悩まされているのです。遮音性を高めれば、入居者の不満が解消してグッと好印象の住まいに!
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「音を伝えにくくする居住空間」をつくるポイントは、構造や仕様にあります。現に、床やサッシ、壁などに、遮音性への配慮を怠ったことが原因で騒音問題が大きくなることも少なくありません。
仮に建物完成後に遮音性を付加することになった場合、床材を全部剥がすなど大がかりな工事が必要となります。コスト面でも大きな負担になるので、得策とはいえません。
遮音性が高い構造としては、一般的に、鉄筋コンクリート造が良いといわれています。さらに床の厚みを増すことで、よりハイレベルな遮音効果を得ることができるでしょう。
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質量の大きい鉄筋コンクリートは、音が伝達しにくい素材。さらに床の厚みを増せば増すほど騒音対策に効果大。でも、コストがかかるのが気になるところ・・・。
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一般的に2~4階建てくらいの中低層の建物であれば、鉄骨造は鉄筋コンクリート造よりも短期間&低価格で建設できます。ですが、鉄筋コンクリート造よりも音を透過させやすいという難点があるのも事実。しかし、最新の技術により、音の伝達を軽減させられるようになったので、騒音対策においても鉄骨造が注目されるようになりました。
例えば、鉄骨造の床材に用いるセメント板の隙間に遮音性の高い充填材を入れる、床の振動をシャットアウトするダンパー(抑動装置)を下階の天井部分に組み込む、音が響きにくいクッション性の高い床材を使う、床下にも吸音材を使うなど、騒音対策に効果がある方法はたくさんあります。
このような技術を用いれば、鉄骨造でも鉄筋コンクリート造並みの遮音性を得ることができ、上階からの騒音に配慮した物件にすることができます。
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一般住宅に普及している鉄骨造も、音や振動に配慮した最新素材を使えば、鉄筋コンクリート並みの遮音性に!
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遮音性の低い賃貸住宅だと入居者に長く住んでもらえない恐れがあるので、騒音対策は抜かりなく。まずは、構造や仕様を決める段階から遮音・防音を意識して、計画を立てることをおススメします。施工を依頼する際には、遮音・防音に関する知識や実績がある建設会社かどうかも必ず確認しておきましょう。
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次回のメールマガジンでは、賃貸住宅を犯罪から守るために必要なノウハウをご紹介します。。
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