日本の世帯構成の変化のデータを見ると、単身者世帯が徐々に増えています。これは単身高齢者の増加という側面があり、単身者を入居ターゲットとする際は注意が必要です。ファミリーはDINKSや3人世帯が中心になっており、賃貸住宅には防犯や子育てのしやすさなどが望まれるでしょう。

またファミリー世帯では、コロナ禍で持ち家志向の方は一部増加していますが、長期の住宅ローンを敬遠したり、将来的な転勤などを見据えて土地や家をあえて所有しない層も。最近は分譲マンションにも見劣りしないハイグレードの賃貸住宅が増え、自分のライフスタイルに合わせて選べるから「賃貸がいい」という賃貸積極派も多く見られます。

コロナウイルス感染症拡大の影響もあり、外出を控えてネットショッピングが従来に比べて増加しています。これまでも単身者に人気だった宅配ボックスが、ファミリー向け賃貸でも求められるように。自治体によっては、物流の効率化やCO₂排出量削減に役立つものとして、設置費用の一部を助成する動きもあります。

リモートワークや在宅時間の増加から、住まいの快適性にも注目が集まり、暮らしやすい間取り、充実したインターネット環境への意識が高くなっています。また、家事がしやすいゆったりした水回りに加え、部屋の遮音性や断熱性など目に見えない性能も重要視される傾向に。高い断熱性で1年中快適に暮らせて、月々の光熱費も削減できるZEH（ネット・ゼロ・エネルギー）賃貸住宅を選ぶ人も増加しています。

最近の部屋探しでは、コロナ禍によって不動産会社への訪問や、一度に内見する物件数が減少傾向にあります。「まずはネットで情報収集」という人が大半を占め、周辺環境や設備などの基本条件は自分で確認して、興味のある物件に絞り込んだ上で内見という流れに。検索キーワードなどを駆使すれば、どの会社が建てたかまで調べられるので、ネットに載せる情報次第で競合物件と差別化することも可能です。

また、部屋探しをしている入居者から注目されるためには、サイトに掲載する物件のビジュアルも重要です。物件写真に加えて、動画や360度パノラマ画像など、賃貸住宅をより魅力的に伝えられるサイトも増えていますので、物件PRに長けた会社をパートナーに選び、入居者にアピールしていきましょう。