ファミリー向けでは、2019～2020年で4位だった「TVモニター付きインターフォン」が、順位を3つ上げて一躍トップに。コロナ禍で在宅時間が増え、宅配や出前など見知らぬ配達員の来訪機会も多いことで、セキュリティの意識が高まっていることがわかります。録画機能などが充実した機種も増えており、設置費用もリーズナブルになってきています。単身者でも2位にランクインするなど、今では必須の設備といえるでしょう。

「室内洗濯機置き場」や「独立洗面台」は単身者・ファミリーのどちらにも人気が高い設備です。どれも昨年と比較すると大きな順位の変動はなく、トップ10に挙げられている設備はもはや定番として、いまや賃貸住宅に必要な設備だと考えられます。

家賃アップが期待できる設備としては、ファミリー・単身者とも昨年と同様に「インターネット無料」がトップになりました。リモートワークやおうち時間の増加でネット利用が多くなっており、総務省によればインターネット利用者は10～50代で9割超となっています。加えて、オンライン会議や動画視聴など、大容量の通信が安定してできる「高速インターネット」へのニーズも高いことがわかっています。

また、宅配サービスやネットショッピングを利用する際に便利な「宅配ボックス」、家にいる時間が増える中で建物のセキュリティを高める「エントランスのオートロック」などは、どの世帯でも継続して人気が集まっています。

ファミリーでは「システムキッチン」や「浴室換気乾燥機」が順位を上げ、巣ごもり需要で水回りの快適さが重視されていることがわかります。普段の食事も、外食から家での自炊にシフトする傾向にあり、キッチンについてもファミリーは3口コンロ、単身者でも2口以上がベターです。

コロナ禍でニーズが増えたものとして、住宅の「遮音性」や「断熱性」が挙げられます。目に見える設備ではありませんが、オンライン会議が増えたため家の中や近隣の音が気になる、家族の在宅時間が長くなって光熱費も高くなった……などの理由から注目されているようです。
高い断熱性と経済性を兼ね備えたZEH賃貸住宅を選ぶ人も増えており、建物の性能は今後ますます重要なポイントとなるでしょう。

賃貸住宅を新築する際に大切なのは、設備も含めて建物全体をトータルで設計し、快適な住環境を提供すること。ニーズの高い設備の導入に加えて、建物自体の性能や間取り・デザインにも気を配りながら、最新の入居者トレンドに詳しい不動産会社に相談し、最適なプランで周辺物件と差別化していきましょう。