Vol.134 街に溶け込み、物件の魅力をアップする外構について、不動産のプロが解説！

梅雨の時期は、湿気や気圧の影響でだるさを感じることも。晴れ間を逃さず、太陽の光を浴びてパワーをもらいましょう。今回は、立地や街並みを活かした優れた外構の実例を紹介します。

土地活用サクセスマガジン VOL.134
街に溶け込み、物件の魅力をアップする外構について、不動産のプロが解説！

土地活用サクセスマガジン VOL.134 街に溶け込み、物件の魅力をアップする外構について、不動産のプロが解説！

入居希望者が賃貸住宅の内見をする際、魅力的な建物のデザインや外構計画は、好印象を与える重要な要素となります。今回はシャーメゾンで評価の高い外構の実例を取り上げ、賃貸住宅の事情にくわしい谷崎さんにポイントを解説していただきます。

今回教えてくれるのはこのガイド：All About「土地活用」ガイド：谷崎憲一氏自らアパート・マンションなどの大家業を営む傍ら、地主さん家主さんの抱える様々な問題の相談機関としてコンサルティング会社を経営。各種セミナー・講演会実施、新聞発行などを行い、賃貸経営についての多くの相談に応えている。

豊かな緑と黒い外壁がアクセントとなった、ハイグレードな外構

1軒目は、閑静な住宅地に位置する物件です。道路に面したエリアは、低木と中高木を組み合わせた豊かな植栽計画を実施。エントランスにつながる通路には中高木を配し、ゆるやかに雁行させることでアプローチに変化を持たせました。建物は黒い外壁がアクセントとなり、緑が美しく映えるファサードとなっています。

街のランドマークを目指し、温かみと優れたデザイン性を感じさせる外観です。

「土地活用」ガイド・谷崎さんのチェックポイント

物件だけでなく、街自体のイメージもアップするような高級感

この物件は、沿道緑化や街づくりまでを意識した外構計画となっているのが特徴です。沿道から見えるシンボルツリーに季節感を演出するヤマモミジを採用するなど、各所に高さの異なる樹木をバランスよく配置。まるで、里山に佇む別荘のような美しさになっています。
生活の一部にきちんと計画された緑があるのは贅沢なことで、ゆとりと豊かさを好む入居者ニーズを確実に捉えるでしょう。また建物のフォルムからはホテルライクな高級感と機能性も感じさせ、建物の価値を高めています。

角地に建つ特性を活かし、存在感と暮らしやすさを両立

住宅地に建つ2軒目は、交差点に面した角地という立地を活かした外観デザインになっています。歩道の街路樹を活用しながら、敷地内の植栽もバランスよく配したメインファサードは圧倒的な存在感。敷地内には共用のテラス空間を設けており、外部からの目線を防ぐように中木が配置されて、落ちついた住環境を守ります。

角地という特徴に合わせた建物のデザインで、インパクトと高級感を演出しています。

「土地活用」ガイド・谷崎さんのチェックポイント

外構のクオリティを上げることで、高所得層の入居者の好感度も高まる

洗練されたフォルムのファサードに、高級分譲マンションにも引けを取らないエントランスは、他の賃貸物件と大きな差別化になるものです。外構の植栽と建物のカラーバランスがしっかりとコーディネートされ、建物の存在感と魅力を引き出しています。
植栽は、メンテナンスを考慮した樹木や日陰に強い草木も選定されており、入居者と地域に配慮して計画していることがわかります。メインファサードや植栽は共用部のため、直接的には家賃を生まない空間ですが、高所得者層のニーズや嗜好を反映させることで高い競争力の確保にもつながるため、効果的な賃貸経営への投資と考えてよいでしょう。

和モダンをコンセプトに、建物と植栽にこだわった実例

３軒目は、歴史と文化の豊かな街に建つ物件です。立地にふさわしい「和モダン」というコンセプトのもとに、建物と外構を和風のスタイルで統一。敷地の入り口には和風の門屋を設け、アプローチに特別な趣をもたらしています。門屋の先には、重厚な大判タイルの外壁を配してアイストップに。道路側の植栽も和を感じさせる樹種を中心に、シンプルで落ち着いた構成になっています。

落ち着いた和のテイストで入居者を迎え、趣を感じさせるしつらえに。

「土地活用」ガイド・谷崎さんのチェックポイント

高級旅館のような品格で、街ゆく人の目も惹きつける和の美しさ

「和の心を伝承する上質な建物」という地域性を考慮したコンセプトに沿って、プロジェクトチームが一体となって魅力的なデザインを具現化した、地域のランドマークとなる素晴らしい建物です。門屋や縦格子、石を上手に配置したファサードとアプローチの外構計画は道行く人を惹きつけ、入居希望者にはステータスと安らぎを与える設計になっています。
高級旅館を思わせる品格あるデザインに加え、入退去の多い賃貸物件ならではの耐久性やメンテナンスを意識して、機能性のある素材をしっかり取り入れているのも注目すべきポイントです。

「土地活用」ガイド・谷崎さんの最後に一言

優れた外構計画で差別化し、賃貸住宅の付加価値をアップ

賃貸住宅経営で見落としがちなのが外構計画ですが、優れた外構は物件を引き立てるばかりでなく、差別化・付加価値につながります。豊かな植栽などを高く評価する入居者は、意識が高くマナーなどもきちんとしている傾向があります。経営の成功のために、デザインや設計のスキルを持つ建設会社に依頼することは重要なポイントとなるでしょう。

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