これがないと決まらない設備のランキングについて、今年は大きな変化がありました。今回から新設された回答項目「エアコン」が、単身者・ファミリー向けの両方で1位となっています。今年は全国的な猛暑が長期間続いたため、東北や北海道など、通常ならエアコンがなくてもよかった地域にも強いニーズが生まれたことが要因です。

その他の順位は、昨年と大きな変動はありませんでした。最近の若い世代は、独立前の実家での生活で「温水洗浄便座」などはあって当たり前になってきています。また「室内洗濯機置き場」や「独立洗面台」は、男女や単身者・ファミリーを問わず、必要とされる設備であると心得ましょう。

家賃が高くても入居が決まる設備では、例年通り「インターネット無料」がトップとなりました。いまやインターネットを無料化していなければ、ハンデになるほどの状況と考えられます。入居者にとって費用ばかりでなく、自分でややこしい申請や手続きをする手間が省けるメリットもあります。

単身者・ファミリーともに2位となった「エントラスのオートロック」は、賃貸住宅においてはセキュリティの高さの象徴であり、開放型の物件と比較すると1割近く高い家賃設定が望めることも。ただし、入居ターゲットや敷地状況、そして費用対効果を考え、賃貸管理の知見を持つ会社とよく相談して取り入れていきましょう。

ランキング外に目を移すと、最近のエネルギー価格の上昇などに関心が高まっている中、ZEHの導入が付加価値として賃貸業界でも高く評価されています。毎月の光熱費を考えたとき、入居者の財布に優しくオーナーにとってもメリットがあるため、新築する際はぜひとも検討したい設備のひとつです。

また、古くなった設備やニーズ合わなくなった間取りを大きく改修したリノベーション物件も注目で、築年数が古くてもお得に新築並みの物件に入居したい、というニーズも広まっています。もちろん、新築・築浅物件は変わらず根強い人気があるため、物件が古くなってきた場合はリノベーションと新築で収支や税務メリットを見比べるなど、総合的な経営判断をしていきましょう。